2007年クリスマス

「み言葉は人となった」(ヨハネ1.14)

すべての兄弟に平和と善をイエス・キリスト誕生の聖なる夜に神の美しさは家畜小屋を宿とし、神の恩恵は人間の肉となり、血となりました。神の子はご自身を空しくするために(フィリ2.7)真夜中を選び、悲しみと死のしるしだった夜はクリスマス・イヴの輝きに変わりました。なぜならみ言葉が人となられたからです(ヨハネ1・14)。沈黙は永遠に破られ、御父のふところから降りてこられたみ言葉は(訓戒1・18参照)新しい人間性を歌い上げる新しい歌となったのです。

兄弟の皆さん、喜びましょう。御子が私どものところに誕生されたからです。御子は約束されていたメシア、主であり、わたしたちが待っていた救いです。でも、もっと喜びましょう。その子は神の子だからです。信者であるわたしたちは喜びましょう。その夜に待ち望んでいたことが起こったからです。思いがけないその誕生はわたしたちの喜びを大きく広げたのです。すなわち、神が大勢の中の一人になり、人々の真只中に住むことを望み、わたしたちと同じになってくださったからです(フィリ2・1-7)。今宵は沈黙の夜ではなくみ言葉の夜です。これこそが人類との神のコミュニケーションでした。この新しい人は神からの神であり、光からの光であり、真の人間であることをやめないのです。

この聖なる夜、全人類とこの世界の貧しい人々とひとつになって、貧しい飼い葉桶でご自身を示され、万人への良き訪れとなったベトレヘムの神秘に畏敬の念をもって近づきたいと思います。そしてわたしたちの喜びと瞑想にあわせて、心が魅了されるがまま、愛の神秘を観想し、驚嘆のうちに感謝の祈りを口ずさみ、主を愛するすべての人のために栄光と平和を歌い上げる恵みをくださいますようにいと高き全能の善き神に謹んでお願いします。
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